立命館大学食マネジメント学部の研究拠点「食総合研究センター」と食学会との共催イベント「肉肉カンファレンス2018」に参加しました。
食学会主催事業「シェフと支える放牧牛肉生産体系確立事業」でも専門委員を務める「肉肉学会」のメンバーを中心とする、“牛肉の未来”をテーマとした9つの講演の他、ポスターセッション及び牛肉試食会、パネルディスカッション等、学会員でもある、食マネジメント学部の和田有史教授の司会進行で、肉に関する知られざる歴史や文化の紹介から最先端の研究まで、まさしく肉ファン垂涎の8時間近くに及ぶ充実したプログラムが繰り広げられました。
高岡哲郎副理事長による講演「すき焼きで紐解く肉食系譜」では、人形町今半に伝わる貴重な資料を駆使しながら、我が国における牛肉食の受容史を見つめ直し、肉肉学会理事長でもある原田英男会員からは「行政から考える牛肉」と題して、長年にわたり畜産業の振興を見守ってきた経験を通じ、国民意識や行政支援の変化をわかりやすく解説いただきました。
昼食時には、格之進の提供により、近江牛、ジャージー牛、Qビーフの比較試食体験のほか、ポスターセッションでは、当学会が推進する「シェフ牛」事業についての発表も行われました。
午後のプログラムでは、九州大学ブランド牛肉QBeefを開発した鹿児島大学農学部の後藤貴文教授による、新しい生物科学概念「代謝プログラミング」研究をはじめとする「未来の畜産の在り方」と題した講演に続き、格之進の千葉祐士会員がウニや牡蠣といった食材とお肉を掛け合わせた新しい味覚に対する人気の高まり等、「牛肉の新たな価値創造」を追及する取組について熱く語り、「肉はメディアだ」という稲見昌彦会員、江渡浩一郎会員による肉肉学会の活動レポートもフロアの注目を集めました。
パネルディスカッションでは、門上武司副理事長がモデレータを務め、7名の発表者がそれぞれの立場から、“牛肉の未来”に寄せるユニークな展望を披露。
プログラム終了後、構内のエポックホールにおける研究交流会(レセプション)では、発表者や研究者と参加者との分野・世代を超えた活発な意見交換が行われ、肉を愛してやまない参加者にとってきわめて刺激的かつ有意義な一日となりました。