2月16日、全日本・食学会主催の「シェフと伝える持続型畜産確立事業」の試食会「仙台食堂」。
担当シェフは「楽・食・健・美~KUROMORI~」の黒森洋司シェフ。予定していた調理学校が使用できなくなったため、人数を委員だけに絞って、黒森シェフのお店で行いました。
一皿目:「ジル・燻製はちみつ・牡蠣・生ハムの冷製」
メイン食材は、『スリーブラウンのジル』、『ワンドロップファームの燻製はちみつ』、『おおわに自然農場の生ハム』。
個性的な食材の絶妙なかけ合わせバランスがとれた一品。
くせの強い燻製香だが、ジル・牡蠣・生ハムの食感と味わいを消さずに口の中に広がる。
二皿目:極上上湯スープ
メイン食材は、『長谷川自然牧場の豚モモ、丸鶏』、『おおわに自然牧場の生ハム』。
丸鶏と生ハムを6時間煮た素材だけのスープ。
調味料は一切ない、香りあふれる澄んだスープ。
食材が良いと、これだけで旨みと薫りが引き出せ、繊細なバランスの極上スープができることの証明。
シェフが食材とストレート勝負した一品。
三皿目:ジャージー牛赤ワイン煮込み
メイン食材は、『アビタニアジャージーファームの肩ロース』。
ジャージーの経産牛を赤ワインで4時間煮込んだもの。
元の肉からはあまり旨味を感じないが、煮込むうちに出汁がでて風味がよくなる。
その旨味がスープに移り、仕上げをする中華鍋から立ち昇る香りと音で、すでに期待値up!
肉は箸で簡単にほぐれ、繊維が残っているが柔らかい牛の香りがする。
パンと合わせるとまた絶妙な組み合わせとなる。
四皿目:ローストビーフ中華風
メイン食材は、『鳥山牧場の赤城和牛のモモ肉』。
絶妙な火入れのローストビーフを中華風(という単純なものじゃないけど)のタレに絡めて。
和牛のうま味とシャキシャキした野菜の両方が楽しめる。
中華風ローストビーフとして、赤身の旨さが引き出された最高の一品。
様々な食材を、ある料理ではそのまま使い、ある料理は出汁とともに、ある料理ではコンピネーションのパーツとして使う、そして「中華」の枠に治める。
シェフの遊び心と研究心を大いに感じました。
黒森シェフには、前年の丸森試食会でも変則的な開催をお願いしましたが、今回も逸品の素材を高度な加工技術を組み合わせた中国料理で、素材を活かしながら表現をする新たな領域に挑戦していただきました。