AJFA 全日本・食学会 ALL JAPAN FOOD ASSOCIATION

シェフと支える放牧牛肉生産体系確立事業

全日本・食学会は、食肉としての使用が少なかったジャージー種などの乳牛を、
効率よく、健康的に太らせ、調理方法や熟成などシェフの手で付加価値を高めることで、
新しい生産体系を構築する事業に取り組んでいます。

「ジャージー種」などの乳用種の食肉生産体系確立をめざして

近年、ヨーグルトやチーズ生産に取り組む酪農家が増え、「ジャージー種」や「ブラウンスイス種」など、ホルスタイン以外の乳用種が増加しています。一方、これらの種のオス子牛は、ホルスタイン種に比べて太りにくいため、牛肉としての評価が確立していない現状では、殆ど肉用に肥育されることはなく、タダ同然で処分されているのが現状です。

その最大の理由は、これらの種がホルスタイン種に比べ太りにくいこと。もともとあまり大きくはならない種ですが、黒毛和牛やF1牛、ホルスタインのように、高濃度の配合飼料を与えれば、それなりに太ります。しかし、牛肉としての評価が確立していない今の現状では、市場で値段が付かないこともあり、コストの高い配合飼料を給餌して育てても、結局は赤字になってしまうため、生産体系自体が確立していません。

全日本・食学会は、この問題を克服するため、ジャージー種などのオスの仔牛を効率的に太らせ放牧という自然な方法による健康的な牛の生産体系の確立を目指しています。同時に、当学会のシェフが中心となって、熟成や調理方法などで食肉としての市場価値を高める仕掛けを作ることで、新たな食肉を創造・提案していきます。

事業推進にあたっては、各分野の有識者で構成させる推進委員会や専門委員会を立ち上げて、検討会や現地調査を実施。現在、八丈島をはじめ、全国各地の牧場で、合計17頭のジャージー種、ブラウンスイス種のオス牛を育てています。今後も、会員の皆さまのお力をお借りして、課題を1つずつ解決しつつ、新たな食肉の生産体系確立に向け、本事業に取り組んでまいります。