突然ですが、お抹茶を頂く時の茶碗と、ご飯を頂く時の碗の違い、ご存知ですか?
さて、とり出したる9つの茶碗。
「どれが茶碗でしょう?」
じーっと見入るみなさんの真剣な目。
(みなさん後で気づくのですが、ここで穴のあくほど茶碗を見比べても答えは出ません。)
「ごはんを頂く時は、器の底は見ませんね。でもお茶事では、お茶を頂いてから器を拝見します。茶碗は高台と呼ばれるこの裏の部分まで、心を配って作家が作り込むのです。茶碗と碗では値段がかなり違う事ををみなさん、ご存知だと思います。その違いは、作家が高台まで含めた茶碗全体の景色を丁寧に作るからです。」
一同頷くばかり。
茶碗を裏返し、底の景色を見て一目瞭然。
三日月形に、意図的に削られた三日月高台、とても大きく作られた高台、竹をスパッと切ったように見える竹節高台。
梶さんがお持ちくださったのは、なんと400年前、日本から注文して韓国で作られた茶碗。碗は永楽。どれもとても貴重なものでなかなか触れる機会がないので、参加者一同ドキドキとワクワクが入り混じりながら、手触りで確かめたり、眺めたり。
梶さんのお話は、千利休から、古田織部、江戸時代まで続きます。
歴史と文化は密接に関わり、ひとつの器になって私達の手元に、現代に残る。それを使って料理を盛り込む。改めて繋がりの強さを感じた夜でした。
天喜の石川輝宗さんは「僕もお茶やってますが、すごく面白く勉強になりました。器を観ることの大切さをもういっぺん考えます。それと佐々木さんのところで「てんぷら近藤」さんの勉強会もホントに良かった。理論と実践。素晴らしかったです。」と。また、タコヤキストの熊谷真菜さんは「器って、深いですね。久しぶりに参加しましたが、いい経験になりました。これからはテーマがあったほうがいいですね」と、関西では今年最後の情報交換会でしたが、祇園さ々木を会場に、盛りだくさんのお料理と、あちらこちらで花咲く様々なお話しに、お腹も心もいっぱいの夜でした。
最後に佐々木浩さんんが「今日は、梶さんにお願いしてホントによかったです。梶さんありがとうございました。これからの情報交換会はテーマを決めて集まりたいと思います。また紙皿とプラスティックのコップにしましたが、いつものグラスだと終わってから開催した店のスタッフにすごく時間を取らせることになるので、少しでも時間が軽減できるようと思っています。気軽にやりたいです。是非ともウチでと、声を上げてください」と締めくくったのでした。
こんなこと学びたい、この分野の人に話しを聞きたいなど希望を事務局まで届けてください。今後も内容の充実した情報交換会を開催していきたいと思いますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。