全日本・食学会 ALL JAPAN FOOD ASSOCIATION

      
【開催日】
2015年4月1日(水)
【開催場所】
東京・文化庁


一般社団法人全日本・食学会は、2012年5月の設立以来、日本の食の発展と活性化(食育や地産地消)、料理人を中心とした日本国内外で食に関連する職業に従事する方々の交流、食文化の振興に寄与することを目的として、活動を行ってまいりました。

しかしいくら「食文化」といえど、日本ではまだ「食」が文化として十分に認められていないことが感じられます。現在「食」は「風俗」であるとみなされ、卓越した料理人の匠の技も、演劇、音楽、工芸技術等のいわゆる無形文化財と比べ、極めて低い位置づけをされていて、自国の食文化の世界的な展開に関する国家レベルでの取組みも、不十分なものにとどまっていると言わざるを得ません。

当会はそんな現状を国家に伝え、“食を文化に”していくことを大きな目的の一つとして掲げています。


東京の桜が満開となり、門出の日に相応しい新年度初日の2015年4月1日、“食を文化に”の第1歩として文化庁長官 青柳正規様に陳情書の提出を行いました。

提出するにあたってのメンバーは以下の4名です。


・理事長 門上武司

・副理事長 奥脇裕

・副団長 三國清三

・理事 田村隆


門上理事長から全日本・食学会の概要と、日本では認められていないが、食は紛れもなく文化である事を説明。三國副団長からは、海外では食が文化である事が認められているにも関わらず、日本では認められてないという旨をお伝えしました。奥脇副理事長は全日本・食学会がこれまで行ってきた活動の説明。田村理事は営業許可が風営法であるゆえの理不尽な経験を踏まえながら、改革の必要性を訴えました。


文化庁長官 青柳様からは、日本には時代にそぐわない古い制度が多々残っている。この(陳情書提出の場に出席している)メンバーの中で「食は文化ではない」と考えている人は一人もおらず、自身も食を文化にせねばならないと強く考えている。

すぐにというわけにはいかないが、勉強会を設置して近い将来、食が文化だと胸を張って言える日本にしていきたい。とのお言葉を頂戴しました。


当会には料理人だけでなく、研究者も含め食に関わる様々な立場の人が所属しております。その方々はもちろん、その人脈を最大限に活かして勉強会をサポートしていく旨を説明し、共に“食を文化に”向けて頑張って参りましょう! という意志を確かめ合いました。


陳情しましたポイントは大きく分けて、以下の3つです。

① 国家的取組みとして「食」を文化として明確に位置づけていただきたいこと。

② 料理人を積極的に文化功労者、文化勲章及び人間国宝の対象者としていただきたいこと。

③ 文化庁にて食文化検討部会を設立いただき、当団体をその中核的メンバーとしていただきたいこと。


日本の「食」の現場には、さまざまな課題が山積みです。しかし“食を文化に”の活動は既存の業種、業界を超え、新たに料理のジャンル、地域を横断的かつ縦断的につなぐ当会だからこそ、やるべき活動・やれる活動です。


今回の陳情書提出を大きな第1歩として、これからも引き続き活動を続けて参ります。