全日本・食学会 ALL JAPAN FOOD ASSOCIATION

      
【日程】
2023年11月27日(月)~28日(火)
【視察地】
鹿児島県霧島市

昨年に続き、顕彰制度bean47「生産者賞」受賞の【霧島サーモン】視察を中心に霧島の地を訪れました。

今回は、食学会顕彰委員と会員参加希望者、合わせて14名の視察会となりました。


また、霧島ガストロノミー活動の推進団体、地元の「キリシマビト」にご協力いただき、生産地視察だけでなく、GI産品にも名を連ねる【黒酢情報館】の見学、【麹研究】の第一人者山元博士の講義、【農福連携】を目指す就労継続支援施設の見学、【霧島の若手料理人】との調理など、幅広い活動ができました。

【記録映像】 https://www.youtube.com/watch?v=z3G3hem5sRw


「霧島サーモン」の生産地に伺うと、周りの山々の恵みの湧き水、そして地域とサーモンを大切にする想いがあるからこそ、素晴らしいサーモンが育つのだと実感しました。

生産者の田代さんは「育てるということだけでなく、サーモンが料理人に渡り、手をかけた美味しい料理となって皆さんに届くという繋がりを大切にしています」と話します。


昼食は霧島名物【流しそうめん】とともに、「霧島サーモン」に特産【神檸檬】をかけたマリネを爽やかに食し、窪田畜産【霧島和牛】のバーベキューを楽しみました。

農林水産大臣賞受賞【霧島茶】を作るヘンタ製茶の茶畑では、美しい風景を眺めながら、散水なくとも朝露ですくすくと育つお茶の力強さを感じました。


そして夜の交流会は、メイン活動【食学会と地元料理人のコラボ】のひとつです。

参加メンバーには、移動中にメイン食材【霧島和牛】【霧島黒豚】【黒さつま鶏】【霧島サーモン】を伝え、「料理してください!」として、食材も見ずにメニューを考え、スーパーで副材を買い足します。そして会場の調理室に到着するや否や、お出迎えしてくれた地元若手料理人を巻き込み、料理に取り掛かり、瞬く間に10品以上の料理が出来上がりました!

食事をしながら、地元料理人の皆さんからは、「憧れのシェフの方と一緒に料理ができて感激です!」「貴重な体験をありがとうございました」「シェフの本を持参してサインしてもらえばよかった~」など、うれしい感想があちらこちらに飛び交います。他にも美味しい末蜜農園の新米【にこまる】のおにぎり、鹿児島と言えば【さつまいも】!のお手製スイートポテトを食べ、薩摩切子のグラスで霧島焼酎や地ビールも堪能し、1日目が終了しました。


2日目は、農福連携の現場・障がい者の農業技術習得支援施設「心和の郷」で、年にひと月しか収穫時期のない植物【ローゼル(紅葵)】の丁寧な作業の大切さやこれからの課題を聞きました。

「坂元黒酢情報館」では、桜島を眺める場所で黒酢職人のお話を聞きながら、黒酢の成育過程と熟練した職人の技をみせていただきました。


最後の視察は「源麹研究所」にて山元正博博士から、麹が身体を整え健康にするお話を聞き、建築途中の体験型麹ホテルを見学。昼食は麹をふんだんに取り入れた料理を食し、今回の研修講評会です。


霧島の皆さんからは「様々な霧島を紹介でき、貴重な体験もさせてもらいました。ぜひ食学会に参加したいです」とうれしいお言葉をいただきました。

堀井顕彰委員長からは「今回、霧島の自然の豊かさと数多くの食材や活動を見せていただきました。これからも霧島と食学会の連携を続けていきましょう。これが始まりです!」との言葉があり、霧島サーモンの推薦人・上柿元理事からは「私の故郷・鹿児島の熱き人の心が何よりも大切です。これからも頑張っていきましょう!」と今回の視察会をまとめて、全スケジュールを終了しました。


全国には各地の豊かな自然とその中で育つ魅力あふれる食材が多々あるのだということを、改めて感じます。少しずつ訪ねて発見し、そして次に紹介していけば、生産者や研究者、そして料理人のつながりが広がっていきます。今後もこの活動を続けたいと改めて感じました。